会席料理の食べ方

食べる順番

会席料理は和食のフルコースで、本膳料理や懐石料理よりも豪華な器や盛り付けも洗練されているものです。
懐石料理と会席料理の違いは、会席料理を発展させたものが懐石料理です。
会席料理は宴会の席でを食べることが多いため、宴会料理とも呼ばれます。
また、会席料理には大きなお皿で出す盛り込み宴会料理、お膳を用いない座卓宴会料理があります。
食べる順番は先ず先付け、突き出し、お通しとも呼ばれる前菜、次にお吸い物、お刺し身です。
その後、焼き物、煮物、揚げ物と続き、さらに蒸し物、酢の物、ご飯とお味噌汁、お新香も順に出されます。
お店によって順序が前後したり、品が省略されたりします。

品々の特徴

お吸い物は薄味のものが出されます。
前菜を食べた後の口直しに飲むものだからです。
そのお椀が冷えると蓋が取れにくくなりますから、すぐに蓋を取りましょう。
刺し身や焼き物、煮物に関しては旬の美味しいものが出されます。
一般的には焼いたお魚やエビなどですが、お肉が出されることもあります。
揚げ物に関してはお野菜やお魚の天ぷらです。
蒸し物は茶碗蒸しなど、冬場はかぶら蒸しが出されることもあります。
酢の物は口直しに食べるものです。
ご飯とお味噌汁、お新香は締めに食べる物です。
お味噌汁、ご飯、お新香の順に食べてください。

マナー

会席料理のデザートもあります。
ようかんやおまんじゅうなどの和菓子や旬の果物です。
甘い物が苦手な人は手を付けてはいけません。
食べきれない時に場合は懐紙という専用の紙に包んで持って帰りましょう。
懐紙は茶道具や和装小物のお店に置いてありますから事前に用意しておきましょう。
折り方も覚えておいてください。
2つ折りにした際に上の部分が左側に出るようにします。
この紙は季節の柄が入ったものや動物の形に切られたものもあるのですが、それをハンカチの代わりに使って楽しむ人もいます。
デザートの食べ方の他にも注意点があり、会席料理を食べるお座敷に素足で上がってはいけません。
また、畳の縁を踏まないよう気を付けてください。
服装やくせに関する注意点もあり、貴金属を身に付けている人は外すのがマナーです。
普段おかずをご飯の上に乗せて食べる人は、マナー違反ですから乗せないようにしましょう。
そして、食べることに集中せずに器の美しさを楽しみましょう。
注文する時にメニューを見ていないで店員さんの顔をちゃんと見るといったことも大事です。

食後にお椀の蓋を元通りかぶせたりすることも大事です。

ヘルシーで見た目も美しく世界から注目される和食の魅力とは

世界遺産に登録されて益々注目が集まる

和食は世界遺産にも登録されるなど世界的にも注目を集めており、富士山や着物と並んで日本を象徴するアイテムとして世界的に存在を知らしめています。
世界遺産に登録される以前から和食は海外で人気で、特にアメリカやフランスなどの欧米諸国ではヘルシーで健康的な食事として、女優さんやモデルさんなどプロポーションを気にする職業の方やセレブを中心に普段の食生活にも採り入れられてきました。
海外でも寿司店が人気を集めているほか、最近ではフランスで日本の弁当文化が広まり、幕の内弁当などを販売する弁当店が賑わいを集まっているほか、日本のお弁当箱も様々なタイプが販売されて愛用されています。

ヘルシーなダイエット食としても人気

世界で人気を集めるヘルシーな和食はダイエット食としても採り入れられており、低カロリーで高たんぱくな豆腐に美味しいと人気の調味料の醤油をかけて食べたりとファンも多いです。
和食は洋食のようにバターなどの動物性の油脂で炒めりすることもなく、出汁を中心に素材を生かした味付けで調理するなど、油分が少なくヘルシーテイストなので安心して食べられると人気なのです。
海外には信仰や考え方から、ベジタリアンの人も多いですが、豆腐や醤油は動物性のものを含まない食材でありながら、栄養がしっかりと摂れるので、日本伝統の食材が海外のベジタリアンの間でも親しまれています。

見た目の美しさでも人気

海外でも人気の和食ですが、日本に旅行に訪れる外国人からは本場の日本食の繊細さや見た目の美しさにビューティーフォーの言葉が止まらない方も少なくありません。
日本は海外諸国とは違い、四季があり、海に囲まれ、山も多く、季節ごとに違う旬の食材にも恵まれた国です。
季節の食材をふんだんに使い、使用するだけではなく、見た目から季節を感じるような彩りや盛り合わせで1品1品丁寧に作られ、供される和食に魅了される海外からの旅行者が少なくありません。
日本列島は南北に長いので、北海道と沖縄では食材の種類や調理法、食文化も大きく異なっていたり、関東と関西でも全く味付けや好む食材が異なっていたり、地域ごとに独自の食文化や郷土料理が楽しめるのも海外からの旅行者に人気の理由です。
寿司、天ぷら、すき焼きという海外の方に人気の三大和食にはじまり、東京の下町のもんじゃ焼き、大阪の粉もの文化のお好み焼きやタコ焼き、薄味で出汁が効いた京料理から、パンチの効いた名古屋飯に至るまで、全国各地のグルメ情報を調べて多くの海外からの旅行客が今日も日本を訪れています。

和食にかかせない出汁

日本料理になくてはならないもの

日本には古来から出汁をとる習慣があったと伝えられています。
最も古い物で、縄文時代に魚介や鳥などの獣類を調理する際に出汁が自然に出ていたとも言われています。
7世紀に入ると出汁の原型ができあがり、魚を干して焼いて取ったり、山鳥を使ったりして、その地域の特性に合わせた出汁が用いられるようになり、調理に欠かせない素材となりました。
江戸時代に入ると、かつお節を作る技術が確立され、江戸を中心に出回るようになり、多くの人に用いられるようになりました。
京都を中心とした関西圏では、北前船による交通が活発となり、北海道から運ばれた昆布が出汁として使われるようになったのです。
出汁の文化が一般的に普及したことで、江戸時代には庶民と支配者階級の料理が混ざり合ったとも言われています。

いろいろな出汁

現在では、関東を中心にしたかつお節や関西を代表とする昆布以外にも多くの出汁の元となる素材が伝わっています。
中部を中心にさばや宗田かつおを使う所もありますし、さばやいわしとあじ等を混ぜて使う場所もあります。
日本海側では煮干しを使う地域もあったり、山陰や九州北部ではあごを使う場所もあったりします。
それぞれ地域性が出るでしょう。
一般家庭には出回っていませんが、高級料亭や産地ではマグロで枯れ節を作っている所もあります。
上品な味わいで臭みがありませんが、非常に高価です。
干しエビやホタテもよい風味が出るので、あんかけ料理のあんにも入れられ、味のアクセントとしても利用できます。
植物性の出汁はキノコ類にも多く含まれ、お吸い物や味噌汁で出汁が薄く感じられる時に使うと便利です。
干し椎茸や切り干し大根等の乾物も戻す際の汁が出汁として多く使われています。
干し椎茸はふきんやキッチンペーパーでよくほこりを取って使うとよいでしょう。
切り干し大根は戻す前に軽く水洗いしてゴミを除去する必要があります。
これらの素材や戻し汁は、魚介類でアレルギーの出る方やベジタリアンの方でも使える素材です。

家庭で手間なく出汁をとるなら

家庭で本格的な出汁を取ると、かつお節等の素材の処理が面倒に感じる方もいると思われます。
また、煮干しを使った場合はアクの処理や頭や内臓の処理が面倒に感じるかもしれません。
その場合は、素材をキッチンペーパーにくるんで鍋に入れると後の処理が楽になります。
アクもお玉で取らなくても、キッチンペーパーが吸収できるのでとても便利でしょう。
処分するのが気になる場合、くせのないかつお節や昆布なら出し殻を細かく切って醤油や日本酒で調味し、ふりかけとしてリメイクするのも可能です。
ただし、さばやいわしは臭みが残るのでやめた方がいいでしょう。
出し殻自体を出したくない場合は、お茶などを粉状にするミルサーを利用して出汁の素材を粉状にして使うのもおすすめです。
素材を食べきってしまうので効率よく栄養を取り入れることもできるでしょう。

いい和食のお店を見つけよう

和食は繊細です。

日本人が一番合う料理は和食です。
和食は日本人が数千年も培って作り出した独特の文化で、その味わいはよその国の人は真似をする事が不可能と言われているくらいです。
こういった和食を自分で作るのもいいのですが、たまには本物の味をしっかりと味わった方がいいでしょう。
しかしながら和食はとても繊細なものになっていて、世界では芸術の一つとしてとらえられているくらいです。
少し有名なお店だからと言って、悪い店に当たる事はあり得るわけで、そこで今回は和食屋の選び方をしっかりと考えていこうと思います。
個人で楽しむのもいいのですが、和食のお店を選ぶ場合は、接待で使うという事も結構あります。
選び方ひとつで大変な事になる事もあります。

お店を知ろう

お店の選び方としては、お店の性質を知る事です。
例えば、会食向きのお店か、個人を相手にしているお店かという事です。
数人なら後者はうってつけですが、大勢向けのお店だとコストパフォーマンスが悪くなることもあり得ます。
また、会食などで和食のお店を選ぶ場合は3つ重要な事があります。
一つはおいしいお酒を出すお店という事と、食通の人が喜ぶことと、大勢が入れて雰囲気がいいお店です。
お酒がいいというのは案外重要で、和食ではお酒を料理に使う事があります。
そんな時悪いお酒を使っていれば、料理の質は推して知るべきですし、お酒=水の良さが重要ですから、そういった面からも料理の質が予想できます。
ですからお酒の存在は重要で、次はゲストをうならせる料理が作れるかという事です。
和食は味も重要ですが、見た目も大切になります。
これは写真などである程度分かりますし、季節ごと楽しむ事が出来る点も考慮しておきたいです。
そして、周りの雰囲気も大切で部屋が殺風景だと料理もなんとなくまずく感じますし、ワイワイ楽しめるような雰囲気だといいです。
重要な商談における会食ならば、ハキハキと話が進んでいき、契約もうまくまとまるかもしれません。
このように、お酒や料理は和食のお店では重要な要素で、接待でも個人で行く場合でも変わらないので知っておきましょう。

評判を知ろう

いい料理を出してくれても、店員の態度が悪ければ不快に感じるわけで、こういった細かい評価は様々なサイトを参考にしましょう。
やはり、店員の態度、お店の風景、料理のハーモニーがしっかりとしてこその和食なのです。
前述の通り、繊細な一つの芸術ですからしっかりと選んでいこうではありませんか。

美味しい和食の幸にはどんなものがあるの

日本は山の多い国土だからこそ美味しい食材の宝庫

日本は国土の7割が山です。
そのため、昔から山の幸が食べ続けられてきました。
そこで和食で食べられる山の幸にはどんなものがあるのかをご紹介します。
山の幸には山菜があります。
ワラビやゼンマイ、ナメコ、キクラゲ、タケノコなどの食材は、アクを抜き水煮にした後、山菜そばにしたり、山菜おこわ、山菜の天ぷらなどに調理します。
フキノトウは、つぼみの状態で採取した後に、天ぷらや煮物などの料理にして食べると美味しく頂くことができます。
フキノトウを細かく切り、油と味噌で炒めるとフキノトウ味噌が出来上がりますので、白いご飯の上にのせて頂くと美味しく頂くことができるでしょう。

贅沢なキノコ料理

山の幸の代表的な和食にはキノコ料理があります。
キノコは天ぷらやキノコ汁、キノコの刺身、キノコの茶わん蒸しなどの料理になりますので、おいしい一品になることでしょう。
中でもマツタケは採取量が少ないため、とても貴重で高級食材として人気があります。
マツタケ専門店もありますので、焼きマツタケや、マツタケご飯、マツタケの土瓶蒸しなどの和食を堪能してみてはいかがでしょうか。
キノコのおいしさの秘密は旨みや酸味のアミノ酸成分でもあるグルタミン酸やアスパラギン酸が含まれており、グリシンなどの甘味のアミノ酸、フェニルアラニンなどの苦みのアミノ酸が含まれていることです。
肉厚なキノコを噛みしめた時に、口の中に広がるキノコの旨み成分は、酸味、甘味、苦味の3種類が口の中で混じり合ったものなので、深い味わいを楽しむことが出来ます。
秋になると収穫量も増しますので、料亭などでキノコ料理を味わい尽くすとよいでしょう。

山の幸、海の幸、里の幸の三つの食材が最高のおもてなし

美味しい和食を堪能するのであれば、やはり山の幸、海の幸、里の幸が三つ揃ってこそ美味しい和食を頂くことができるでしょう。
山の幸には山で取れる山菜類がありますし、海の幸には魚介類があります。
里の幸は人の手で作り出した米や野菜なども含まれます。
炊き立ての白いご飯や山の幸を取り入れた炊き込みご飯に、海の幸である焼き魚と里の幸でもある野菜などの組み合わせは、最高のおもてなし料理だといえるでしょう。
ご馳走という言葉の意味は、贅沢な食事という意味があります。
大昔は食事の用意をするために馬を使って山や海を走って食材を集めなければならず、御馳走することは大変な労力が必要でした。
そうしたことを思い浮かべながら、美味しい和食を大切に味わうことが、食事を頂く側のマナーだといえるでしょう。

目や香りも楽しめる春の食材で美味しい和食を

春のスタート

寒い冬を乗り越え、土の中から芽を出すフキノトウを見かけると、ようやく春が来たなと感じるものです。
まだまだ寒い時期に芽吹く春の山菜はエネルギーに満ち溢れた食材として、古くから春の季節に食されてきました。
寒い冬の時期はお家に引きこもってしまったり、運動量も減ってしまう方が多いのではないでしょうか。
その昔も雪に閉ざされて家から出ることもできず、部屋の中でひたすら作業をするなど、どうしても体がなまってしまったり、血行不良を起こしがちでした。
昔の人の知恵でもありますが、苦みのある春の山菜を頂くと、体をデトックスしてくれ、寒い冬の時期に溜め込んだ老廃物の排出を促し、血行を促進して、寒い冬から暖かな春へと身体の切り替えをサポートしてくれます。

暖かさを感じてきたら

3月の肌寒さを越え、4月になってくると本格的な春の暖かさを感じるようになります。
筍やそら豆、グリンピースなどの旬の野菜が続々と登場してくる時期です。
こうした春の食材も一部の加工食品を除けば、生鮮野菜として出回るのはごくわずかな時期です。
ちょっと油断していると野菜売り場からなくなってしまうので、タイミングを逃さないように食べたいものです。
筍は様々な食べ方がありますが、定番の筍ご飯をはじめ、新鮮だからこそできる筍の刺身や木の芽和え、旬のワカメと煮る若竹煮、鰹節を使った土佐煮と部位や硬さにより多彩な楽しみ方ができます。
そら豆やグリンピースも一度は、そら豆ご飯やグリンピースご飯として春の食卓を飾りたいものです。

春が旬の海の幸もおすすめ

春の食材というとフキノトウやぜんまい、こごみなどの山菜や筍などの山の幸が思い浮かびますが、海に囲まれた日本では春に旬を迎える海の幸も豊富です。
静岡の駿河湾あたりで漁獲される、春色のサクラエビをはじめ、神奈川県の三浦半島や鎌倉あたりでは、透明度の高い白魚が旬を迎えます。
サクラエビや白魚などを生の刺身で頂けるのは、春の時期だけのお楽しみです。
お味噌汁の具に定番のワカメも春が旬で、この時期には獲れ立ての柔らかなワカメをさっと湯がいてお刺身などでいただくことができます。
旬の海の幸がとれる地域へと、過ごしやすい気候を利用してドライブがてら出かけたり、旅行で訪れるのもおすすめです。
出かけている余裕がないという方も、最近ではお取り寄せなどもでき、春にとれたばかりのワカメや、解凍してそのまま食せる白魚の冷凍品なども手に入るので、産直品のお取り寄せを楽しんでもいいかもしれません。

和食屋の特徴と献立の種類を知っておきたい

ランチタイムはリーズナブルな価格のお店があります

和食の献立は鰹節や昆布などで出しを取っているため、薄味で旨味が強いのが特徴です。
若い年代の人から、中高年以降の人まで、飽きずに食事が楽しめる和食屋は根強い人気があります。
比較的カジュアルな雰囲気で、ランチタイムはリーズナブルな価格で利用できるお店も多いです。
和食屋の特徴は海や山の幸を使用したヘルシーな、メニューが多いのが特徴です。
油脂などの脂肪分を抑えた調理法を行っており、オリーブオイルやバターを多用するフレンチやイタリアンに比べると低カロリーです。
現代は働く女性が増えているため、平日は調理に十分に時間が取れない人が多く、栄養の偏りが気になっている人が少なくありません。
和食屋ではブリや秋刀魚などの焼き魚や、マグロやイカ、エビなどの刺身の盛り合わせ、肉じゃがや大根の煮付けなどの、栄養価の高いメニューが揃っているので、時々利用すると良いでしょう。

小料理屋は幅広い年代にお勧めです

大衆的な雰囲気のお店はお値段がリーズナブルですが、本格的な和食のメニューを味わいたい人は、小料理屋などがお勧めです。
清潔で落ち着いた雰囲気のお店が多く、カウンター席や座敷も利用できるので、一人でもグループでも利用しやすいです。
落ち着いた和風のインテリアのお店が多く、ゆっくりとくつろいで食事を楽しめるように、間接照明などは高品質な商品を設置しています。
清潔で明るい雰囲気のお店は、トイレや洗面所、床、窓などの掃除も行き届いており、接客マナーの丁寧なホールスタッフや調理師が在籍をしています。
松茸などの高級食材を取り扱っているお店も多く、松茸ご飯や土瓶蒸しなどの料理を提供しています。
天ぷらは日本の伝統的な和食のひとつですが、キスや穴子、海老、イカ、山菜などを使用しており、サクサクとした食感が特徴です。
野菜や山菜、魚などの素材の良さを味わいたい人は、天つゆと大根おろしで食べるのがお勧めです。

定番の和食のコースメニューが味わえます

大切な人の誕生日や記念日には、高級感のある和食屋に予約を入れたい人が増加しています。
定番の和食のコースメニューが味わえるお店が多いので、グルメな人も満足できます。
安全性の高い産地の野菜や肉類、魚類を取り扱っているので、体のデリケートな人も安心して食事が楽しめます。
コース料理を提供しているお店では、調理のタイミングに合わせて料理を提供してくれるので、最適な状態で食事ができます。
地元で評価の高い和食屋は平均的な相場になっており、幅広い年代の人が足を運んでいます。

懐石料理の昔と今

懐石料理の起源

会席料理とは本来、禅宗のお寺で茶会が開かれる際に出されるお料理のことでした。
お茶会のメインはもちろんお茶を楽しむことですが、お腹が空いている時に濃いお茶を飲むと胃への刺激が強すぎることから、前もって懐石料理を食べておき、その後にお茶を思う存分楽しむというのが慣例となりました。
ちなみに、懐石とは石を懐に抱いて温める程度に空腹を凌ぐという意味があります。
お茶を飲む前に軽い食事をするという習慣は室町時代の頃からありましたが、安土桃山時代に入ってお茶の大家である千利休によって確立されました。
千利休の基本的な思想に侘び寂びがありますが、懐石料理にも侘び寂びの考え方が強く反映しており、狭い茶室の中でも簡単に食べることができるように素朴なお料理が出されます。

懐石料理の作法

懐石料理はお茶会の流れの1つということで、作法が厳しく定められていました。
お料理は基本的に一汁三菜であり、食材にはその季節の旬のものが使われました。
懐石料理で最初に出されるのが御飯と汁物、そして向付と言われるなますやお刺身です。
この時、御飯と汁物の器、そして汁物の蓋横に一直線に置いて食事をするのが作法となっています。
食べる順番は後安と汁物が先で、その後に向付と一緒にお酒を飲みます。
二菜目は懐石料理のメインであり、椀盛りの煮物が出されます。
また、煮物と一緒に御飯と汁物のおかわりも出されます。
煮物の味付けは素材の味を最大限に楽しむために薄味で、すまし汁で仕立てられるのが一般的です。
最後の三菜目は焼き物になります。
焼き魚は大皿に人数分用意されますので、自分で大皿から取り分けます。
焼き魚を食べる時はひっくり返さないのが作法となっています。
半身を食べ終わったら骨を取り除いて、下の半身を食べていきます。

懐石料理と会席料理の違い

このような歴史を持つ懐石料理ですが、時代を経るにしたがってその意味は少しずつ変わってきています。
現在では懐石料理と言うと料亭や割烹などで出される比較的高級な和食のコース料理を指すのが一般的で、本来の意味である空腹を凌ぐ程度の質素な食事という意味合いとはだいぶニュアンスが違います。
近年では同音であることから懐石料理と会席料理が混同されるケースが良く見られますが、すでに紹介したように懐石料理はあくまでもメインのお茶会の前に出される軽い食事であるのに対して、会席料理は宴会などで出される食事のことで食事そのものがメインとなります。
また、雰囲気的にも懐石料理は静かで厳かな雰囲気であるのに対して、会席料理はみんなで楽しくわいわいとした雰囲気の中で楽しく食事をするのが一般的です。

健康食品を上手に取り入れてみよう

健康食品を活用して足りない栄養を補給する

忙しい現代人は栄養が偏りがちといわれています。
コンビニエンスストアのお弁当やお惣菜ばかり買っていたり、外食ばかりしていると栄養のバランスが悪くなってしまい、生活習慣病などのリスクも高くなってしまうこともありますから、気を付けなくてはなりません。 続きを読む 健康食品を上手に取り入れてみよう